銀星糖
こちらは、キタユメ。様で連載中の「AXIS POWERS ヘタリア」のファンサイトです。二次創作を取り扱っておりますので苦手な方はご注意ください。
[PR]
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
除夜の鐘を撞きにお寺へ
【Je T'aimais. Je T'aime. Je T'aimerais.】
東京の年末セールで新調した外套を着込んで、ぽつぽつと古い裸電球の街灯が燈る路地に出たら、二人分の気霜が白く立ち上った。
指先から痺れてきそうなほどの寒さの中、襟巻に頬まで埋めて二人で歩く。風がなく晴れ渡ったブルーブラックの空に、ひとつ、ふたつ、小さな星が光っている。
遠くに聞こえていた梵鐘の音が、寺に近づいていくほどにだんだん大きくなってくる。先ほどまで観ていた大晦日特番の派手派手しさ、騒がしさから一転して、静寂と厳粛な空気に包まれた国。きっとどこの街でも、村でも、人々は寺院や神社を目指して歩いているのだろう。
ピピ、と小さな電子音が響いた。日本がピーコートのポケットからデジタル時計を取り出す。
明けましたね、の声は冷えこみのせいで少し痛む耳をやさしく撫でた。
「あけましておめでとうございます、フランスさん」
「ああ、おめでとう」
「今年もよろしくお願いしますね」
新年のぴんと張りつめた夜気の中で交わす、今年初めての挨拶。それがなんだかとても貴重なもののように感じられる。微笑んだ日本が何よりも大切だと、今どうしても伝えたいと強く思った。
「なぁ、日本?」
「なんですか?」
薄い肩に手を置いて、少しかがんで。かじかんで赤くなり始めている耳に、フランスは甘く、甘く、囁いた。
寒さのせいではなく赤くなった顔を背ける日本の手を引いて、夜道をまた歩き出す。少し広い通りに出るころには、冷えていた小さな手もきっと温かくなっているだろう。
去年、俺は君を愛してた。
今、俺は君を愛してる。
今年も、俺は君を愛するだろう。
----------------------------------------------
うちでは深夜の初詣をしたあとに、除夜の鐘を撞きに行きます。夜にいっぱい人が歩いているのってなんかワクワクしませんか?
今日未明に出歩いてたときは雪が降ってなかったのに、朝になったらモッサリ積もってました。
明日電車が動くかどうか心配なんだぜ……
- << 【柚本本舗】柚本さまより、相互記念イラスト
- HOME
- 深夜の初詣へ >>
プラグイン
カレンダー
06 | 2024/07 | 08 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 |
14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 |
28 | 29 | 30 | 31 |
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
最新トラックバック
プロフィール
ブログ内検索